人の手の形はさまざま。「平均的なサイズ」はあるものの、それが参考になるわけではありません。重要なのは、快適に安心して指輪を着けられること。結婚指輪の場合、おふたりそろって店頭で指輪選びをすることが多く、指のサイズも店頭で測ることができますが、婚約指輪の場合はサプライズでお渡しすることも多く、事前に指のサイズを知っておいていただく必要があります。
「どんなブランドやデザインにしよう」と同時に、指のサイズについてもお忘れなく!できる限り正確なサイズの婚約指輪を選ぶためのポイントをご紹介します。
いざ指輪を準備しようとなった時に、「どのブランドのどういうデザインがいい」というところに気を取られて、指のサイズが盲点になっていませんか?指輪の製作する際には、指のサイズを知る必要があります。
ここでは、プロポーズ予定の男性様に、女性様の指のサイズをお伺いしたときの返答事例をいくつか挙げてみました。この記事をお読みいただいている皆さんなら、何と答えますか?ぜひ、一緒にお考え下さい。
❷『まったくわかりません。ただ、(彼女は)細身なのでサイズも小さいと思います』
❸『僕の小指と同じくらいでした』
➍『糸で測ってみてインターネットで調べてきたんですが、〇〇号でした』
❺『ペアリングを持ってきました』
上記のうち、最も正解に近いのが❺の『ペアリングを持ってきました』です。ただし、ペアリングも薬指に着けている指輪であることと、ゆるすぎず、きつすぎず、適度なサイズ感であったかは重要です。
➍のように眠っている間に糸を使って測ってきてくださる方もいらっしゃいます。こちらも正確に測っていただければ正解です。ただ、眠っているところを起こさないように測るというのは至難の業。実際のサイズよりも大きめになる傾向があり、かなりコツがいります。指の周り(内周)が1㎜違うだけで、サイズが1号変わります。そ~っと、ゆる~く糸を巻きつけて測ると実際よりも何号も大きくなってしまうことも・・・。
❶~❸は、見た目でサイズ感を答えてくださった事例です。同じ指のサイズでも手の形(指の形)はさまざまなため、ぱっと見ただけでサイズを見極めることは非常に難しく、この状況で指輪を作るのはリスクが高いです。ということで、❶~❸の方には、できる限りサイズを調べて来ていただく、もしくはプロポーズ専用のリング(プロポーズリング)をおすすめし、プロポーズが成功した後に、おふたりでエンゲージリングを見に来ていただいています。
★プロポーズ専用リングについて:詳しくはこちら
手の見た目や体型(体重・身長)だけで指のサイズが判断できないのは、人は骨格も違いますし、ライフスタイルに応じて指のサイズも変化するからです(例えば普段から指先をたくさん使ったり、スポーツで手を使われている方の場合、体型に関係なく、手指がしっかりしていることがあるなど)。むくみが発生し体のサイズの変動を感じる方がいらっしゃるように、指も同じように変化します。常日頃お客様の指を見ている店頭のスタッフも、決して見た目でサイズを判断することはありません。必ずリングゲージ(サイズを測る道具)を使用し、その時の正確なサイズを測ります。サプライズで婚約指輪をご用意していただく場合、店頭で正確なサイズを測ることができないため、ある程度正確なサイズを事前に知ってご来店いただくことが必要になります。
・指輪が動きやすく、指からはずれやすくなる。
・指にフィットしないため、大きな力がかかった場合に変形する可能性がある。
・着脱が困難で、うっ血し、腫れてしまう。
・変形やゆがみをまねく可能性がある。
指輪がゆるい・きついは想像の範囲内ですが、サイズがまったく合わないと変形を起こしやすくなります。重い荷物を持つ、スポーツ、バスや電車のつり革をぎゅっと握る、自転車のブレーキをかけるなど・・・。変形は、瞬間的に大きな力がかかる場合に起こりやすいのです。日常耐久性を考えて作られている指輪も、金属の塊ではありません。瞬間的に大きな力が加わったり、何気ない日常の行動で指輪に負担がかかり続けると、変形を起こす可能性は十分にあります。変形することで、指輪に留められているダイヤモンドが取れたり、ゆるんだりすることも実際にあります。適当なサイズでも指輪を作ることは可能です。ただし、実際のサイズとかけ離れると、指輪を安心して快適に着けることができません。そのため、指輪のサイズ選びは重要になるのです。
ご自宅にあるものを使用して、指のサイズを測る方法をご紹介します。婚約指輪を着ける、左薬指の一番太い部分を測定します。(第二関節付近や指の根元など、指の形を見て決めてください)指のむくみも考えて、時間帯を変えて複数回測ってみましょう。
ポイントは、「ゆるすぎず・きつすぎず」です。糸で測る場合は、印のにじみや、ねじれに注意してください。
サイズ | 内周(mm) | サイズ | 内周(mm) |
---|---|---|---|
3号 | 42.9 | 10号 | 50.3 |
4号 | 44.0 | 11号 | 51.3 |
5号 | 45.0 | 12号 | 52.4 |
6号 | 46.1 | 13号 | 53.4 |
7号 | 47.1 | 14号 | 54.5 |
8号 | 48.2 | 15号 | 55.5 |
9号 | 49.2 | 16号 | 56.6 |
※太文字は、女性の薬指の平均値です。あくまでも平均であり、実際のサイズはさまざまです。
リングゲージというサイズを測るためのリングです。リングゲージはインターネットでも販売されていますので、中にはリングゲージを購入して指のサイズを調べて来てくださる方もいらっしゃいます。1号ずつリングになっており、比較的測りやすいでしょう。ただしご自身の指でないため、何がきつくて、何がゆるいかの判断が難しいかもしれません。特に指の関節のサイズが指の根元より大きい場合、関節よりも大きくサイズをとりすぎないことが重要です。こちらのリングは、あくまでも指のサイズを測るためのリングですので、実際に出来上がる指輪で着け心地に違いが出ることがあります。
ショップやメーカーにより異なりますが、ほとんどの指輪でサイズ直しが可能です。また、購入から一定期間内は無料でサイズ直しができたり、中には何度でも無料で対応してくれるショップやブランドもあります。鍛造製法の指輪は、製法上サイズ直しが難しいため、サイズ交換での対応となります。
ちなみにヤマトヤは複数のブランドを扱うセレクトショップなので、サイズ直しが何度でも無料のブランドも、一定の期間・回数を過ぎた後は有償となるブランドも取り扱っています。その違いは、ブランドの考え方による部分です。修理が有償になるブランドは、「その分きちんと状態を確認し、丁寧に修理を行い、しっかり磨きを施してお戻ししたい」という考えがあります。保証が気になる方は購入前に確認をしておきましょう。
また、たとえ無償であったとしても、何度も繰り返しサイズ直しをすることはお勧めしません。1~2回程度は問題ありませんが、何度も繰り返しサイズ直しを行うと金属の強度が弱まり、変形しやすくなってしまうためです。メーカーによっては、サイズ直しの回数に制限を設けている場合もあります。メーカー側が制限を設けていなくても、指輪を弱らせてしまわないように本当に必要な時に修理を受けるようにしましょう。
正しいサイズ選びのポイントや、サイズが合わない場合のリスクをお伝えしました。いかがでしたでしょうか?プロポーズを成功させるため、そして女性様が大切な婚約指輪を長く安心して着けていただけるよう、ぜひ参考にしてみてください。できる限り事前に指のサイズを知っていただきたいですが、それが難しい場合もあります。その際は、プロポーズ専用のリングもありますので、ぜひ店頭スタッフへご相談くださいね!